外壁塗装の退色を防ぐには?塗料の種類とメリット・デメリットを解説2024/07/15
「最近、自宅の外壁の色あせが気になるけど、塗り替えって一体いくらかかるの?」
「外壁塗装の塗り替えを検討しているけど、どんな塗料を選べばいいか分からない…」とお悩みではありませんか?
外壁塗装は、建物の美観を保つだけでなく、建物を紫外線や雨風から守る役割も担っています。
そのため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
この記事では、外壁塗装の退色原因や、退色しにくい塗料の種類、さらに塗料を選ぶ上での注意点について解説していきます。
1. 外壁塗装の退色が起こる原因
外壁塗装の退色は、さまざまな要因が重なって発生します。
ここでは、主な原因について詳しく解説していきます。
1.1 紫外線による劣化
太陽光に含まれる紫外線は、外壁塗料に含まれる色素や樹脂の結合を破壊する作用があります。
このため、紫外線に長時間さらされることで、塗料の色素が分解され、外壁の退色を引き起こします。
1.1.1 紫外線による劣化の特徴
* 長期間にわたる紫外線照射により徐々に進行する
* 日当たりの良い南面や西面で特に顕著に現れる
* 塗料の種類によって劣化の度合いが異なる
1.2 雨風による劣化
雨や風は、外壁塗料の表面を物理的に摩耗させることで退色を引き起こします。
特に、風によって運ばれる砂埃や塵などが塗膜に当たると、細かい傷がつき、そこから劣化が進行しやすくなります。
また、雨水は塗料の成分を徐々に溶かし出すため、長期間にわたって雨風にさらされることで、塗料が薄くなり、色褪せて見えるようになります。
1.2.1 雨風による劣化の特徴
* 風当たりの強い場所や海岸沿いで特に顕著に現れる
* 酸性雨の影響で劣化が加速することもある
* 塗料の防水性が低下することで、さらなる劣化を招く可能性がある
1.3 温度変化による劣化
外壁は、日中と夜間、あるいは季節によって大きく温度が変化します。
この温度変化によって、塗膜が膨張と収縮を繰り返すことで、塗膜にひび割れが生じることがあります。
これを「熱劣化」と呼びます。
ひび割れから雨水などが侵入すると、塗料の劣化がさらに進行し、退色や剥離などの深刻な問題を引き起こす可能性があります。
1.3.1 温度変化による劣化の特徴
* 気温差の激しい地域や、日当たりの良い場所で起こりやすい
* 塗膜の柔軟性が低いほど、ひび割れが起こりやすい
* 断熱性の低い住宅では、温度変化の影響を受けやすい
1.4 その他の要因
上記以外にも、外壁の退色には以下のような要因が考えられます。
* 湿気:湿気が多い環境では、カビや藻が発生しやすくなり、外壁の美観を損なうだけでなく、塗料の劣化を促進する可能性があります。
* 塩害:海岸沿いの地域では、海水の飛沫によって塩分が付着し、塗料の劣化を加速させることがあります。
* 大気汚染:工場や自動車の排気ガスに含まれる窒素酸化物や硫黄酸化物は、酸性雨の原因となるだけでなく、外壁塗料に直接作用して劣化させることがあります。
外壁塗装の退色は、これらの要因が複雑に絡み合って発生します。
そのため、日頃から外壁の状態を観察し、早めに対策を講じることが重要です。外壁のメンテナンス方法については、外壁塗装・外壁リフォームの基礎知識|LIXILなどが参考になります。
2. 退色しにくい外壁塗料の種類
外壁塗装の塗料は、大きく分けて以下の5つの種類に分類されます。
それぞれの特徴やメリット・デメリットを踏まえ、最適な塗料を選びましょう。
2.1 アクリル塗料
2.1.1 メリット
- 価格が安い:他の塗料と比べて安価なため、費用を抑えたい場合におすすめです。
- 施工しやすい:乾燥時間が短く、扱いやすいため、工期を短縮できます。
- カラーバリエーションが豊富:様々な色から選べるため、好みの色を見つけやすいでしょう。
2.1.2 デメリット
- 耐用年数が短い:他の塗料と比べて耐用年数が短く、約5~8年で塗り替えが必要になる場合もあります。
出典:日本ペイント株式会社「塗料の耐用年数と塗り替え時期の目安について」 - 汚れやすい:汚れが付きやすく、経年劣化により色褪せしやすいという特徴があります。
2.2 ウレタン塗料
2.2.1 メリット
- 耐候性が高い:アクリル塗料と比べて耐候性が高く、色褪せや劣化が起こりにくいです。
- 防水性が高い:水を通しにくいため、外壁を雨水から守る効果があります。
- 光沢がある:美しい光沢があり、高級感のある仕上がりになります。
2.2.2 デメリット
- 価格がやや高い:アクリル塗料よりも価格が高いため、予算に合わせて検討する必要があります。
- 乾燥時間が長い:乾燥に時間がかかるため、工期が長くなる場合があります。
2.3 シリコン塗料
2.3.1 メリット
- 耐用年数が長い:ウレタン塗料よりもさらに耐用年数が長く、約10~15年とされています。
- 汚れにくい:防汚性が高く、汚れが付着しにくいため、美観を長く保てます。
- 透湿性がある:湿気を逃がす効果があるため、外壁の内部結露を防ぎます。
2.3.2 デメリット
- 価格が高い:ウレタン塗料よりも高価なため、費用を抑えたい場合は注意が必要です。
2.4 フッ素塗料
2.4.1 メリット
- 非常に耐用年数が長い:塗料の中でもトップクラスの耐用年数を誇り、約20年以上とされています。
- 耐候性・耐汚性が非常に高い:紫外線や雨風、汚れに非常に強く、長期間美観を保ちます。
2.4.2 デメリット
- 価格が非常に高い:他の塗料と比べて非常に高価なため、導入には費用がかかります。
2.5 光触媒塗料
2.5.1 メリット
- セルフクリーニング機能:太陽光に反応して汚れを分解するセルフクリーニング機能があります。
- 大気浄化効果:大気中の有害物質を分解する効果も期待できます。
2.5.2 デメリット
- 価格が高い:他の塗料と比べて高価なため、導入には費用がかかります。
- 効果を発揮するには条件がある:効果を発揮するには太陽光が必要なため、日当たりの悪い場所では効果が期待できません。
3. 塗料を選ぶ上での注意点
- 建物の立地条件:日当たりや風通し、周辺環境によって最適な塗料は異なります。
- 予算:塗料によって価格が大きく異なるため、予算に合わせて選ぶことが大切です。
- desired aesthetic:艶あり、艶消し、模様など、仕上がりのイメージを明確にしましょう。
これらの要素を総合的に考慮し、専門家のアドバイスも受けながら、最適な外壁塗料を選びましょう。
4. 塗料を選ぶ上での注意点
外壁塗装の塗料を選ぶ際には、以下の4つのポイントを踏まえて検討することが大切です。
4.1 耐用年数
塗料にはそれぞれ耐用年数が異なり、一般的に以下の通りです。
塗料の種類 | 耐用年数 |
---|---|
アクリル塗料 | 7~10年 |
ウレタン塗料 | 10~15年 |
シリコン塗料 | 13~16年 |
フッ素塗料 | 15~20年 |
光触媒塗料 | 15~20年 |
耐用年数が長い塗料ほど初期費用は高くなりますが、長い目で見ると塗り替え回数を減らせるため、ライフサイクルコストを抑えられる可能性があります。
ご自身の予算や建物の築年数などを考慮して選びましょう。
例えば、築年数が浅い場合は、耐用年数が短い塗料を選んでも良いでしょう。
4.2 価格
塗料の価格も重要な要素です。塗料の種類によって価格帯が大きく異なるため、予算に合わせて選ぶ必要があります。
一般的に、アクリル塗料が最も安価で、フッ素塗料や光触媒塗料が高価な傾向にあります。
塗料の種類 | 価格帯(㎡あたり) |
---|---|
アクリル塗料 | 1,500円~2,500円 |
ウレタン塗料 | 2,000円~3,000円 |
シリコン塗料 | 2,500円~3,500円 |
フッ素塗料 | 3,500円~5,000円 |
光触媒塗料 | 4,000円~6,000円 |
上記はあくまでも目安であり、使用する塗料のグレードや業者によって価格は変動します。
正確な費用を知るためには、複数の業者から見積もりを取るようにしましょう。
4.3 機能性
塗料には、それぞれ異なる機能があります。ご自身の住環境やニーズに合わせて、必要な機能を備えた塗料を選びましょう。
4.3.1 遮熱性・断熱性
夏場の暑さ対策として、遮熱性や断熱性が高い塗料を選ぶことが有効です。
遮熱塗料は、太陽光を反射することで、屋根や外壁の温度上昇を抑えます。
断熱塗料は、熱の伝達を遮断することで、室内の温度変化を緩やかにします。
4.3.2 防汚性・防水性
建物の美観を保つためには、防汚性や防水性が高い塗料がおすすめです。
防汚塗料は、汚れが付きにくく、雨水で汚れが流れ落ちやすいという特徴があります。
防水塗料は、雨水などの浸入を防ぎ、建物を湿気から守ります。
4.3.3 防カビ・防藻性
湿気の多い地域では、防カビ・防藻性が高い塗料を選ぶことが大切です。
防カビ・防藻塗料は、カビや藻の発生を抑制し、建物の劣化を防ぎます。
4.3.4 その他
その他にも、防錆性、耐薬品性、防火性など、様々な機能を持つ塗料があります。
ご自身の住環境やニーズに合わせて、最適な機能を持つ塗料を選びましょう。
4.4 業者選びの重要性
外壁塗装は、塗料の品質だけでなく、施工業者の技術力によっても仕上がりが大きく左右されます。
信頼できる業者を選ぶことが、外壁塗装を成功させるための重要なポイントです。
4.4.1 優良な業者を見つけるポイント
- 複数の業者から見積もりを取り、比較検討する
- 施工実績が豊富であるかを確認する
- 資格や免許を保有しているかを確認する
- 保証内容を確認する
- 担当者の対応や説明が丁寧であるかを確認する
悪徳業者に騙されないためにも、国民生活センターなどの公的機関が提供する情報も参考に、慎重に業者を選びましょう。
5. まとめ
外壁塗装の退色は、紫外線や雨風、温度変化など様々な要因によって引き起こされます。
退色を防ぎ、建物の美観を長く保つためには、塗料選びが重要です。
アクリル塗料やウレタン塗料は価格が比較的安価ですが、耐用年数が短い傾向にあります。
一方、シリコン塗料やフッ素塗料は耐用年数が長く、長期的に見るとコストパフォーマンスに優れています。
光触媒塗料は汚れを防ぐ効果も期待できます。
それぞれの塗料にはメリット・デメリットがあるため、予算や機能性、耐用年数などを考慮して、最適な塗料を選びましょう。
また、美しい仕上がりと塗料の性能を最大限に引き出すためには、信頼できる業者選びも大切です。